馬喰横山は駅周辺をはじめとして、落ち着いた雰囲気のおしゃれな焼肉店は立ち並んでいます。仕事帰りらしき人が接待やデート、同僚との食事で楽しまれている風景が見られ、品のよい大人が楽しんでいるイメージです。馬喰横山の焼肉店では厳選した和牛をはじめとする肉を使用しており、契約農家から直接仕入れるなどしてコストカットに努めています。というのは、一般的に流通している厳選和牛は値段がかなり張ってしまうため、どうしても高い金額でお店に出さなければなりません。そうなると、一定数の人は費用を気にせず食べたいものを食べるのかもしれませんが、多くの人にとってそうはいかないものです。おいしいものを食べることはとても敷居が高くなってしまうのです。
馬喰横山の焼肉店のオーナーたちは、それを考えて契約農家から直接買い付ける形で厳選和牛を仕入れている店が多いのです。契約してもらうために、何度も何度も通って契約にこぎつける場合もあると聞きます。基本的に、おいしいものをお客様に提供したいという職人の立場でありながら、実際は営業マンのような仕事もしていることに驚いてしまいます。このようにお客様の気持ちに寄り添った行動により、お得な価格で高級な厳選和牛が食べられるのです。
さらにもうひとつ、契約農家から直接仕入れる方が確実に店に厳選和牛をまわしてもらえるといえます。市場に出回ってしまうと、競りで高い金額を付けた人が落としていく仕組みが取られるため、価格を気にしていると入荷ができなくなるでしょう。市場を経由しないことにより、中間マージンがカットされる上に、確実に仕入れることができるのは最高です。
加えて、直接仕入れであるため、入荷されるのは新鮮な肉ばかり。とくに生肉メニューを取り扱う馬喰横山の焼肉店は、新鮮な肉の仕入れが基本です。新鮮な肉はやはりおいしさが違います。入荷が終わり、お客様に提供する際にもこだわりが見られます。どの店にもいえることですが、肉の仕入れはまとまった量であり、それを切り分けなければなりません。そこで肉をカットしますが、このカットをいつどうやってしていくのかは肉のおいしさに関わってくるものです。基本的に馬喰横山の焼肉店では、肉をカットする機械を導入しているところもあれば、職人が手切りで対応しているところがあります。やはりかなりの量が出る食べ放題のようなところは、機械を使って肉をカットしないと間に合うはずもなく、事前に仕込みの段階でたくさんの肉をカットして準備しているような店もあるでしょう。
馬喰横山の焼肉店で人気店にいくと、お客様から注文があってから肉をカットする店がほとんどです。注文を受けてからカットするとはなんとなく贅沢な気分にもなりますし、なぜそうするかが気になるところ。実は、肉は食べる前にカットする方が確実においしいことが分かっています。肉をカットすることにより、肉の断面は空気に触れてしまうので、切った瞬間から酸化がはじまります。肉だけではなく、食べ物すべてに酸化は起きてしまうものです。たとえば、スーパーで焼肉用のセットが売られていますが、たまに肉の色があまりよくないと感じることがありませんか。まさにあの状態が酸化している状態です。見た目にもあまりおいしそうに感じません。
このほかにも、手切りをすることにより、肉の状態をよくチェックし、部位による厚みを微妙に変えられる点もあります。肉により脂のさし具合は違うため、それを見極めておいしい厚みにカットすることもできます。分厚くカットすればすべての肉がおいしいというのは間違いであり、肉の種類によっては薄切りで食べる方がおいしい場合もあります。たとえば、タンひとつにしてみても、分厚く食べるのに適している部位もあれば、薄切りで食べるのに適している部位もあるのです。お客様に最高の状態で肉を提供するため、手切りをする店が多いと言えます。